20代フランス人経営者と39歳シンママが結婚した経緯⑦中年・バツイチ・子持ちの三重苦、青年の両親挨拶に挑む

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これまでのあらすじ

 フランス人青年実業家と出会って一か月で急遽フランスに偵察に。青年の経営する会社の社員やコミュニティーに紹介されて、滞在中の彼の手厚いお世話に「ここに住むのも悪くないなあ」と思い始める単純な中年シンママ。遂に青年の両親に紹介される日を迎える。

20代フランス人経営者と39歳シンママが結婚した経緯⑥東京の初アポから一か月後にフランスに行ってみた 前回のお話し

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アラフォーシングルマザーが、婚活2か月で10歳下(29)のフランス人経営者と婚約した方法とアプリ婚活のコツ

アプリ婚活、彼氏は簡単に出来るのに結婚に至らない理由

‐青年の両親

 TGVを降りたら、小柄な初老男性が車の横で待っていた。青年の父親だった。フランス式にビズーをされ、車に乗る様に促されて義実家に向かった。青年の父はスイスで働いていたこともあり、ドイツ語と英語が流暢で大変助かった。そして半分イタリア人だからなのか、とても温かく陽気で冗談ばかり言うなんとも楽しいムードメーカーの爺さんだった。

実家に着いたら青年の母親が迎えてくれた。綺麗に髪をセットしてメイクをして、素敵な場所に出かけるようなセンスのいい服を着て、「待ちに待っていました」というような満面の笑みでビズーをしてくれた。ちょっと気難しそうだけど、良い香りのする温かく美しい女性だった。

 リビングに通され、コーヒーを飲みながらいろいろな話をした。青年の母は英語が話せないので、父と青年に通訳して貰った。青年と両親は仲が良くなんでも話す関係の様で、両親は謎の極東の怪しい中年シンママの素性をあらかた理解している様で、にこにこと嬉しそうに歓迎してくれていた。今までの、青年の気が利きまくる50代政治家秘書のおじさんムーブを見る限り、条件がヤバ過ぎて反対されるリスクを感じて

「彼女は世界最大手企業の優秀なトレーダーで英語が堪能。精神的/経済的に自立していて一人で子供を育て、強く内面も成熟している女性。見た目も僕と同じ位にしか見えないから歳上でも違和感がない。彼女さえ良ければぜひとも結婚したいと思っているんだ!」

と先回りして20倍くらい盛った、事実とだいぶ違う印象で宣伝しまくっていた様子だった。根回しさせたらフランス一の青年がやりそうな事である。

 青年の両親は、私の1歳の息子への玩具のプレゼントを用意していてくれた。こんな優しい人達が存在するのであろうか?と狐につままれた気分に一瞬なった後、感動の波が襲ってきた。そしてこんな感じで、この後も5年間で幾度となくこのフランスの一家の優しさでその場で感動して一人で泣く。を繰り返す中年であった。こんなに暖かく愛情あふれる家庭で育った男性なら、再びこの素晴らしい家庭を再現しようとして良い夫、父親になるだろう。とこの結婚に確信を持ったのもこの時であった。

 その後青年が街を案内してくれた。帰りに青年の母が好きだという蘭の花を青年が購入し、実家に戻る前に「これを君が買った事にしてくれ」と渡された。パリ支社でのパンの差し入れを勝手に私名義にして自動的に私の株を上げた手法と同じである。やっぱり中の人は50代敏腕政治家秘書おじさんかな?※勿論そこそこ良いお土産を会社にも両親にも持っていったが、被せて更に私名義でプレゼントを渡す根回しをされる徹底ぶり。

 その日は青年の実家に一泊して、パリに再び戻る途中でアルザスの観光地へ。お伽話の様な光景に大興奮し、今まで特に興味なく知らなかったけどフランスいいなあ。青年の両親も素晴らしい人だし、もうここに嫁入りしてもいいな。と日に日に移住する事にも気持ちが固まっていくのであった。

※フランスは初で、既に極寒の秋アルザスに日本の残暑のノリの軽装で行ってしまい、義母が自分の暖かいコートを貸してくれ、青年の部屋にあった高校時代のマフラーをまかれる39歳シングルマザー。

-フランス滞在、パリで最後の夜を過ごす

 最終日はパリ観光。モンマルトルの丘、凱旋門、エッフェル塔など定番のスポットをのんびり回り、日が落ちる頃セーヌ川沿いを歩いて青年が予約していたホテルへ。ライトアップされた雰囲気のある、薄暗い地下のプールでぷかぷか二人で浮きながら、今後結婚前提でどう遠距離交際を続けていくか。という話をした。今回のフランス滞在を通して、既に二人の気持ちは結婚する方向で固まっていたのでとても自然な流れだった。最後の夜はパリの街に繰り出し、レストランやバーで二人の認識を再確認し、完全に心を許してリラックスしたとてもいい時間を楽しんだのだった。

 ここで再び遠距離になる青年と中年シンママ。この後一歳の息子との初対面、恋愛で舞い上がった青年が毎月日本に押しかけたり、遠距離を乗り越える趣旨のぬいぐるみ交換の謎イベント勃発など、だいぶ面白い出来事が目白押しとなり、延々と語り継がれるネタになるとは、初めてのパリを去る時には全く予想だにしていない中年であった。

続く

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